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コラム2021/08/20

双極性障害とうつ病を見分けるためには?違いを解説

双極性障害とうつ病を見分けるためには?違いを解説

 

双極性障害は、少し前まで「躁うつ病」という名称が一般的でした。

そのためか、うつ病と同じイメージが定着しており、間違えるケースも少なくありません。

実は、それぞれに全く性質の違う病気であり、治療方法も異なります。

しっかりと把握しておかなければ、間違ったケアを受ける可能性も否めません。

 

この記事では、双極性障害が持つ特徴を解説しながら、うつ病との違いをまとめていきます。

周囲に双極性障害を患う方がいる場合にも、ぜひ参考にしてみてください。

 

双極性障害はどんな病気?

 

双極性障害は、気持ちが異様に高まる「躁状態」と著しく落ち込む「うつ状態」が交互に現れる気分障害です。

どんな人でも喜怒哀楽があり、気分が高まることもよくある話でしょう。

反対に、気分が優れず落ち込むケースも誰もが経験する精神状態です。

双極性障害を患うと、その度合いが非常に激しく、周りから見ても異常さが際立つほどに発展します。

 

 双極性障害が持つ特徴 

 

双極性障害を患うと、特徴的な症状が見られます。

躁状態やうつ状態について、それぞれに紐解いていきましょう。

 

 躁状態における特徴 

 

躁状態の大きな特徴は、睡眠時間が極端に少ないのに、全く疲れを知らずどんどん活動できる点にあります。

勢いも普段とはまるで異なり、誰彼構わず話しかける異様な明るさも特徴です。

次々とアイディアが浮かんでは消えて、エネルギーが溢れかえるのですが、集中力にかけるため達成できません。

 

さらに、気持ちが大きくなりがちで、ギャンブルにハマったり周りの人に大口を叩いたりする傾向もあります。

場合によっては悪態をついたり攻撃的になったりするため、周囲に迷惑をかける可能性も否めません。

 

うつ状態における特徴 

 

うつ状態に入っていくと一気に気分が落ち込みます。

全ての事象に興味が失せ、無気力で引きこもりがちになるのも特徴です。

さらに、悲観的になり自分を責める傾向が高まるので、自殺願望が膨れ上がる可能性も否めません。

 

双極性障害の原因

双極性障害は、はっきりした原因がわかっていません。
ただ症状としては、脳内の神経伝達物質がうまく伝達できなかったり、連携したりできなくなる状態になります。
そのため、双極性障害は心の病気ではなく脳の病気と考えられます。

よくストレスが原因と思われがちですが、きっかけになる場合はあってもストレスが直接的な原因ではありません。
双極性障害は大きなストレスを抱えたあとに発症する場合があるため、そう思われているかもしれません。

ストレスの感じやすさは遺伝的な要素が関係するので、総合的に考えると遺伝的な要因が関係しているとも考えられます。

うつ病とどう違う? 

 

うつ病と混同されるケースも多々ある双極性障害は、どのような違いがあるのかを把握していきましょう。

うつ病の特徴も踏まえて紹介します。

 

 うつ病について 

 

うつ病は、双極性障害と異なり躁状態が見られません。

基本的には、気分が著しく落ち込む状態が継続するのが大きな特徴です。

 

さらに、精神面に限らず、身体的な症状も見られます。

例えば、極端に食欲が減るため体重が激減するケースも多く、胃腸の具合が悪くなるパターンもよく見られる特徴です。

軽度だと、日頃の疲れが溜まっている程度だろうと自己判断するほど、傍目には気付き難いケースもあります。

 

 発症年齢が異なる 

 

発症しやすい年齢が異なる点も参考となるポイントです。

うつ病は、25歳を過ぎてから患う人が多いとされる反面、双極性障害は10代や20代前半といった比較的若年層で患う可能性があります。

 

治療法の違いについて 

 

うつ病の場合は、症状が抑うつ状態のみで、その改善を目的とした薬を使用するのが一般的です。

処方される薬はいわゆる「抗うつ薬」と呼ばれており、いくつかの種類の中から症状や状態に合わせて処方されます。

また、しっかりと休養をとることも大切です。薬だけに頼らない治療ケースも多く見られます。

 

一方、双極性障害が特徴的なのは、躁状態です。

躁状態には抗うつ薬はあまり効果が無いと言われています。

薬を使用した場合、最悪の場合躁状態を高めてしまう可能性も否めず、注意深く処方されるのが一般的です。

その代わり、双極性障害では気分を安定させる「安定薬」や「抗精神病薬」を使用します。

 

さらに、再度起こりやすい病気のため、予防も大切です。

薬物治療は、症状を抑えると同時に予防の効果も見られます。

そのほか、規則正しい生活を送ることで症状が落ち着くケースもあり、患者さん本人や家族が疾患を受け入れながら、整えていくのも一つの治療法です。

 

双極性障害の治療法

うつ病との治療法の違いだけでなく、双極性障害の治療法を知っておく点も重要です。
 双極性障害の治療法は主に2つあります。
それぞれ考えてみましょう。

薬物治療

双極性障害の治療法の1つ目は「薬物治療」です。
薬物治療には、気分安定剤や抗精神病薬を使います
また睡眠障害もあるなら、一時的に睡眠導入剤も使います。

気分安定剤の効果は、躁状態とうつ状態の波を安定させる効果です。
主にリチウムが使用されます。 リチウムは効果が出るまで4日以上かかるでしょう。

ただリチウムには副作用があります。
長期間使用すると甲状腺機能や腎機能を損傷する可能性があるので注意が必要です。
妊娠している方だと、リチウムが胎児の身体に有害な影響を与えるため、服用すべきではありません。
また脱水状態下での服用も毒素が血中に生じてしまう可能性があるので危険です。

抗精神病薬は、躁状態を抑えたり抑うつ状態を抑えたりする効果があります。
抗精神薬は即効性があるので服用後にすぐ効果を発揮しますが、長期的に服用すると副作用があります。
脂肪の増大により体重の増加にもつながったり、生活習慣病のメタボリックシンドロームを引き起こす場合もあります。

この影響により、血糖値やコレステロール値が上昇することもあります。
気分安定剤や抗精神病薬は、医師の指示に従って長期的に服用するのが双極性障害の治療への近道となるでしょう。

心理社会的治療

双極性障害の治療法の2つ目は「心理社会的治療」です。
心理社会的治療とは、発症している方が自分の病状を受け入れて、社会の中でコントロールできるように教育していく治療法です。

例として周期的に自分で感じる気分の変化や睡眠の状態を書いてもらえば、自分の気分の変化を記録として残した形で把握できるでしょう。
1週間の中で自分の気分がどのように変化したのかを把握して、自分の中に起きた変化を少しずつ捉えられるようになります。

睡眠時間についても同じです。
どの曜日の睡眠時間が減るのか、どの曜日がよく眠れるのかを把握して自覚できるように助けます。
その前後に何が起きたのかといった点をヒアリングしていけば、ストレスの要因を探りあてるのにも役に立つかもしれません。
またこの治療法には家族の協力も欠かせません。

躁状態になっても、うつ状態になっても家族は負担が大きくなります。
この状態が家族のストレスとなってしまい、そのストレスを病気の人が感じ取り、双極性障害が悪化してしまう場合もあるかもしれません。

本人は好きで躁状態やうつ状態になっているわけではありませんので、家族がしっかり受け止めることは、この治療において大切です。
普通ではないと感じる状態の中でも、本人と協力して双極性障害を治療していく考えを家族の方は持てると良いでしょう。

双極性障害とうつ病の見分けが難しい理由 

 

双極性障害を初めて患う時に、躁状態から始まるとは限りません。

うつ病がきっかけとなる可能性がある上に、うつ状態が長く継続するケースも考えられます。

 

躁状態に入ると、本人が異常に気付き難いことから、病院に行く頃にはうつ状態に入っているケースがほとんどなのも原因の一つでしょう。

躁状態を知らず診察すると、双極性障害をうつ病だと判断してしまうケースがあるためです。

また、結果的に双極性障害に変わる可能性も否めません。

実際、正しく病名を診断するためには、数年かかるとも言われているほどです。


子どものうつ病に気づくため



双極性障害とうつ病の違いについてご紹介しました。
紹介した通り
それぞれに全く性質の違う病気であり、治療方法も異なります。

また親として子どものうつ病に気づいてあげる
ためにはどうすればいいのでしょうか。
下の記事では子どものうつ病について知っておきたいことを詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。


子どものうつ病に気づくために知っておきたいこと


双極性障害を疑ったらまずはご相談ください

 

いかがでしたでしょうか。

この記事をお読みいただくことで、双極性障害がおわかりいただけたと思います。

双極性障害はうつ病と間違いやすい症状であり、注意深い観察が欠かせません。

専門的な目線も必要となるので、気がついたらすぐに相談することをおすすめします。

 

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