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コラム2022/11/28
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うつ病だけど人前では明るい非定型うつ病 その症状や治療法を詳しく解説
うつ病のなかでも人前では明るい非定型うつ病というものを耳にしたことがあるでしょうか。
ストレスの多い現代、非定型うつ病の報告件数は上がっています。
そこで本記事では、非定型うつ病の症状や治療法を詳しく紹介していきます。
うつ病に関する理解を深め、身近にいる人がそうなった時に適切なサポートをしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
非定型うつ病とは、その名のとおり、定型うつ病には当てはまらないうつ病のことです。
定型うつ病と同様、非定型うつ病の主な症状は気分の落ち込み。
部分的に同じ症状を持ちつつも、定型うつ病にはない、むしろ正反対な症状も持ち合わせているのが非定型うつ病です。
気分の変動が激しく、過食や過眠傾向になることが特徴といわれ、ここ数年では20代から30代の女性に多く診断されます。
近年になって研究が進んだ病気のため、分かりにくく見逃しやすいと言われています。
では、非定型うつ病の具体的な症状は何でしょうか。
主症状7つを、簡易的なチェックリストとして以下に挙げました。
@が2週間以上、Aの傾向が見られ、B〜Fのうち2つ以上が見られた際は非定型うつ病の可能性が強いといえます。
しかし、これはあくまで簡易チェック。
不安な方は必ず専門医のもとへお願いします。
うつ病と聞くと、ずっと憂鬱な気持ちが続くようなイメージを持たれるかと思いますが、非定型うつ病は違います。
非定型うつ病の場合、定型うつ病と同じように気分は落ち込みますが、それが続くわけではありません。
つらい状況では気分の落ち込みなどの症状が強く出ますが、普段のストレスの少ない状況では症状があまり出ないのです。
非定型うつ病は、楽しいことは楽しむことができます。
たとえストレスのある状況で落ち込んでいても、楽しいことがあるとたちまち明るくなります。
そのため、楽しみさえできれば、外出したりレジャーに参加したりすることもできるでしょう。
ストレスが少ない、むしろ楽しめるイベントではうつの症状があまり出ません。
非定型うつ病の症状として、倦怠感があります。
非定型うつ病患者が持つ倦怠感は、よく「鉛のように重くなる」と表現されます。
手足が鉛のように重くなり、動かすのが困難になるのです。
定型うつ病の症状である全身倦怠感に対し、非定型うつ病は手足に強く症状が出る傾向にあります。
非定型うつ病患者は、食欲が旺盛になり、体重増加します。
また、患者の年齢が高くなるほど過食が見られ、体重増加の症状が現れやすくなります。
定型うつ病には食欲・体重の増減どちらも見られるため、食欲と体重に関しては定型うつ病と非定型うつ病に部分的な違いがあるといえます。
非定型うつ病には、過眠、昼夜逆転、目覚めの悪さなどの症状が見られます。
1日10時間以上の睡眠が週3日以上あると過眠と考えられ、若い患者に多く仮眠症状が出ると言われています。
定型うつ病に見られる睡眠障害とは正反対なため、過眠が多いと非定型うつ病を疑うきっかけとなります。
関連記事:過眠の原因と対処法を詳しく解説
非定型うつ病の場合、夕方から夜にかけて気分が悪くなります。
定型うつ病は朝方に気分が悪くなり、夕方に改善が見られます。
非定型うつ病は、朝方や日中は普通に暮らすことができ、夕方や夜間に悪化しやすいのです。
夕方から夜にかけて気分の落ち込み、疲労感、倦怠感が見られ、身体に鉛が入っているような感覚になります。
非定型うつ病では、人に拒否されていると感じてしまう傾向があります。
くわえて、非定型うつ病患者は拒絶されたと感じたらそのことを過剰に考えてしまいます。
少し注意されただけで、それを拒絶だと解釈してしまい、強いストレスを感じ人間関係が上手く立ち行かなくなることも多くあります。
ここまで「非定型うつ病」について詳しく解説してきましたが、では一般的にいわれる「うつ病」とは具体的にどう違うのでしょうか。
それぞれの特徴を照らし合わせながら比較していきます。
まずはうつ病の特徴から見ていきます。 ここでは以下の5つをピックアップしました。
それぞれ簡単に確認していきましょう。
うつ病の場合、不眠の症状が多く見られます。
また、うつ病患者には朝早く起きてしまうという症状が多く見られるため、それがうつ病を疑うきっかけとなります。
くわえて、寝つきが悪くなったり、何度も目が覚めてしまったりなど、うつ病の症状は睡眠の質に悪影響を及ぼします。
うつ病は、もともとの性格に関係なく発症します。
ストレスが原因で発症することが多いですが、結婚や就職など、嬉しい出来事のあとに発症することもあります。
性格などの長期的なものが原因になるのではなく、環境変化などの一過性のものが原因になります。
うつ病の治療法は2種類あります。
1つ目は、休養・環境調整です。
心と体を休ませることはうつ病治療の第一歩です。
くわえて、職場や学校で受けるストレスを軽減できるように環境調整をすることも必要になります。
2つ目は、薬物治療・精神療法です。
現在用いられている主なうつ病治療薬は「抗うつ薬」です。
一方、精神療法で一般的に行われているのは「認知行動療法」と「対人関係療法」です。
そのほかにも、患者さんの症状に合わせて睡眠導入薬や非定型抗精神病薬などが使用されます。
比較的、治療法を幅広く選択できるのが特徴です。
うつ病では、食欲の低下と体重の減少が多くみられます。
食欲低下により食事量が減ってしまうため、体調はさらに悪くなり、心も体も疲れやすくなります。
また、反対に甘い物ばかり食べたり過食に走ったりする場合もあります。
うつ病は食欲が減る場合と増える場合があるのです。
こちらの記事では、うつ病が原因で飯が食べられなくなってしまった方の原因と対処法について詳しくご紹介しています。
取り返しのつかないほど悪化してしまう前に適切な対応ができるよう、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:うつ病でご飯が食べられない原因と対処法について解説
うつ病の場合、趣味を楽しめなくなり、何をしても憂うつな気持ちになってしまいます。
運動が好きな方でも、うつ病になると運動を楽しめないどころか疲労ばかり感じてしまうようになります。
休日に何もしたくない、趣味も楽しくないと思う方は要注意です。
次に非定型うつ病の特徴を見ていきます。
同じく5つ、その特徴を見ていきましょう。
それぞれ確認していきます。
非定型うつ病には、過眠、昼夜逆転、目覚めの悪さなどの症状がありますが、そのなかでもとくに過眠の症状が多く見られます。
非定型うつ病患者は、1日10時間以上におよぶ睡眠をすることもあります。
長時間睡眠を取っても昼にまた眠気を感じ、さらに昼寝もしてしまいます。
いくら寝ても寝足りなく感じるのです。
定型うつ病とは症状が正反対なため、過眠は非定型うつ病を疑うきっかけとなります。
非定型うつ病患者には、性格に特徴があります。
「幼い頃から真面目だった」「他人に助けを求めない」「責任感が強い」など、もともとの性格に発症の原因があるのです。
一方で、定型うつ病はもともとの性格に関係なく発症します。
非定型うつ病は、うつ病とは対照的に原因が長期的といえるでしょう。
薬は、定型うつ病と同様、抗うつ薬などが処方されます。
また、患者の状態に合わせて、安定剤や抗不安薬などが処方されることもあります。
しかし、定型うつ病では高い効力を発揮する薬が、非定型うつ病にはあまり効かないことがあります。
そのため、治療の幅が定型うつ病と比較して少し狭いといえます。
また、非定型うつ病では薬物治療にくわえてカウンセリングが試されます。
カウンセリングのひとつに認知行動療法と呼ばれるものがあり、それを実施することにより70%の人に改善が見られたという結果があります。
非定型うつ病の症状に、過食と体重増加があります。
定型うつ病の場合は食欲が減りますが、非定型うつ病の場合は反対に食欲旺盛になります。
その結果、過食して体重が増加します。
これは、食べることで気を紛らわせようとするためです。
非定型うつ病患者は、何かを食べていないと落ち着かない、食べずにはいられないという心理状態になることがあるのです。
非定型うつ病の方は、たとえ気分が落ち込んでいても趣味は楽しむことができます。
非定型うつ病の場合、憂うつ気分の症状はありますが、それはストレスの強い状況下で起こる症状であり、憂うつ気分が続くわけではありません。
ストレスの少ない状況では症状があまり出ないため、自分が楽しいと思える趣味などは思いきり楽しめるのです。
仕事の出勤日は症状が強く出てしまい欠勤するものの、仕事がない日には趣味を存分に楽しむため、会社の同僚に非難されてしまう、という問題が発生することもあります。
非定型うつ病になる原因として、もともとの性格が挙げられます。
「幼い頃から真面目だった」「他人に助けを求めない」「責任感が強い」にくわえ、「人に甘えられない、甘えない」「弱みを見せない」などの性格の人は罹りやすい傾向にあります。
また、非定型うつ病になりやすい人はプライドが高く、完璧主義です。
プライドの高さから恥をさらしたくないという気持ちが強く、人前に立つと強い緊張を感じる傾向にあります。
その強い緊張から、声や体が震えるなどの対人恐怖症の傾向もあります。
また、他人からどう見られているかを常に気にし、他人の顔色をうかがう性格傾向が見られます。
他人からよい評価を得るために自分の気持ちを抑え込み、他人に従おうとする傾向も強いでしょう。
これらは子供の頃からの性格であり、親からは「手のかからないよい子」といわれて育った人が多いようです。
最後に、非定型うつ病の治療方法を解説していきます。
主なアプローチとして以下の2つがあります。
それぞれ概要を解説していきます。
薬は、定型うつ病と同様にSSRIなどの抗うつ薬、くわえて安定剤、抗不安薬などが処方されます。
副作用も考慮しながら、患者さんにあった薬物を用いて治療していきます。
しかし、定型うつ病では高い効力を発揮する薬が、非定型うつ病にはあまり効かないことも起こりえます。
薬物療法があまり効かない場合、並行してカウンセリングを行うことも多いでしょう。
そのひとつに、認知行動療法と呼ばれるものがあります。
非定型うつ病にかかる人は、自分の気持ちを押さえ込み、他人を尊重する傾向があります。
そのため、認知行動療法では自己理解や自己主張を推進するトレーニングを行い、自我の確立をゴールとします。
療法の内容は、日常生活のなかで落ち込んだ出来事を具体的に書きとめ、自分の考え方や行動を把握していくというもの。
カウンセリングを通じて自己理解することが大事になっていきます。
この認知行動療法は、70%の人に効果があったという報告もあり、早ければ3ヶ月ほどで効果が現れます。
いかがでしたか。
非定型うつ病は、まだまだ甘えや仮病、努力不足と誤解されやすい疾患です。
しかし、れっきとした病気であり、だからこそ適切な治療をすることでしっかり快復に向かいます。
YSこころのクリニックでは、非定型うつ病の方の相談も受け付けています。
治療やカウンセリングをご希望の場合はぜひ当院へ相談に来てください。
ストレスの多い現代、非定型うつ病の報告件数は上がっています。
そこで本記事では、非定型うつ病の症状や治療法を詳しく紹介していきます。
うつ病に関する理解を深め、身近にいる人がそうなった時に適切なサポートをしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
非定型うつ病とは?
非定型うつ病とは、その名のとおり、定型うつ病には当てはまらないうつ病のことです。
定型うつ病と同様、非定型うつ病の主な症状は気分の落ち込み。
部分的に同じ症状を持ちつつも、定型うつ病にはない、むしろ正反対な症状も持ち合わせているのが非定型うつ病です。
気分の変動が激しく、過食や過眠傾向になることが特徴といわれ、ここ数年では20代から30代の女性に多く診断されます。
近年になって研究が進んだ病気のため、分かりにくく見逃しやすいと言われています。
非定型うつ病の症状
では、非定型うつ病の具体的な症状は何でしょうか。
主症状7つを、簡易的なチェックリストとして以下に挙げました。
- 1.普段の気分
- 2.楽しいことに対する気分
- 3.倦怠感
- 4.食欲と体重
- 5.睡眠
- 6.時間帯
- 7.他人との関わり
しかし、これはあくまで簡易チェック。
不安な方は必ず専門医のもとへお願いします。
普段の気分
うつ病と聞くと、ずっと憂鬱な気持ちが続くようなイメージを持たれるかと思いますが、非定型うつ病は違います。
非定型うつ病の場合、定型うつ病と同じように気分は落ち込みますが、それが続くわけではありません。
つらい状況では気分の落ち込みなどの症状が強く出ますが、普段のストレスの少ない状況では症状があまり出ないのです。
楽しいことに対する気分
非定型うつ病は、楽しいことは楽しむことができます。
たとえストレスのある状況で落ち込んでいても、楽しいことがあるとたちまち明るくなります。
そのため、楽しみさえできれば、外出したりレジャーに参加したりすることもできるでしょう。
ストレスが少ない、むしろ楽しめるイベントではうつの症状があまり出ません。
倦怠感
非定型うつ病の症状として、倦怠感があります。
非定型うつ病患者が持つ倦怠感は、よく「鉛のように重くなる」と表現されます。
手足が鉛のように重くなり、動かすのが困難になるのです。
定型うつ病の症状である全身倦怠感に対し、非定型うつ病は手足に強く症状が出る傾向にあります。
食欲と体重
非定型うつ病患者は、食欲が旺盛になり、体重増加します。
また、患者の年齢が高くなるほど過食が見られ、体重増加の症状が現れやすくなります。
定型うつ病には食欲・体重の増減どちらも見られるため、食欲と体重に関しては定型うつ病と非定型うつ病に部分的な違いがあるといえます。
睡眠
非定型うつ病には、過眠、昼夜逆転、目覚めの悪さなどの症状が見られます。
1日10時間以上の睡眠が週3日以上あると過眠と考えられ、若い患者に多く仮眠症状が出ると言われています。
定型うつ病に見られる睡眠障害とは正反対なため、過眠が多いと非定型うつ病を疑うきっかけとなります。
関連記事:過眠の原因と対処法を詳しく解説
時間帯
非定型うつ病の場合、夕方から夜にかけて気分が悪くなります。
定型うつ病は朝方に気分が悪くなり、夕方に改善が見られます。
非定型うつ病は、朝方や日中は普通に暮らすことができ、夕方や夜間に悪化しやすいのです。
夕方から夜にかけて気分の落ち込み、疲労感、倦怠感が見られ、身体に鉛が入っているような感覚になります。
他人との関わり
非定型うつ病では、人に拒否されていると感じてしまう傾向があります。
くわえて、非定型うつ病患者は拒絶されたと感じたらそのことを過剰に考えてしまいます。
少し注意されただけで、それを拒絶だと解釈してしまい、強いストレスを感じ人間関係が上手く立ち行かなくなることも多くあります。
「うつ病」と「非定型うつ病」の違い
ここまで「非定型うつ病」について詳しく解説してきましたが、では一般的にいわれる「うつ病」とは具体的にどう違うのでしょうか。
それぞれの特徴を照らし合わせながら比較していきます。
「うつ病」の特徴
まずはうつ病の特徴から見ていきます。 ここでは以下の5つをピックアップしました。
- ・不眠が多い
- ・原因が一過性
- ・治療は2種類
- ・食欲増減と体重増減
- ・趣味が楽しめない
不眠が多い
うつ病の場合、不眠の症状が多く見られます。
また、うつ病患者には朝早く起きてしまうという症状が多く見られるため、それがうつ病を疑うきっかけとなります。
くわえて、寝つきが悪くなったり、何度も目が覚めてしまったりなど、うつ病の症状は睡眠の質に悪影響を及ぼします。
原因が一過性
うつ病は、もともとの性格に関係なく発症します。
ストレスが原因で発症することが多いですが、結婚や就職など、嬉しい出来事のあとに発症することもあります。
性格などの長期的なものが原因になるのではなく、環境変化などの一過性のものが原因になります。
治療は2種類
うつ病の治療法は2種類あります。
1つ目は、休養・環境調整です。
心と体を休ませることはうつ病治療の第一歩です。
くわえて、職場や学校で受けるストレスを軽減できるように環境調整をすることも必要になります。
2つ目は、薬物治療・精神療法です。
現在用いられている主なうつ病治療薬は「抗うつ薬」です。
一方、精神療法で一般的に行われているのは「認知行動療法」と「対人関係療法」です。
そのほかにも、患者さんの症状に合わせて睡眠導入薬や非定型抗精神病薬などが使用されます。
比較的、治療法を幅広く選択できるのが特徴です。
食欲増減と体重増減
うつ病では、食欲の低下と体重の減少が多くみられます。
食欲低下により食事量が減ってしまうため、体調はさらに悪くなり、心も体も疲れやすくなります。
また、反対に甘い物ばかり食べたり過食に走ったりする場合もあります。
うつ病は食欲が減る場合と増える場合があるのです。
こちらの記事では、うつ病が原因で飯が食べられなくなってしまった方の原因と対処法について詳しくご紹介しています。
取り返しのつかないほど悪化してしまう前に適切な対応ができるよう、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:うつ病でご飯が食べられない原因と対処法について解説
趣味が楽しめない
うつ病の場合、趣味を楽しめなくなり、何をしても憂うつな気持ちになってしまいます。
運動が好きな方でも、うつ病になると運動を楽しめないどころか疲労ばかり感じてしまうようになります。
休日に何もしたくない、趣味も楽しくないと思う方は要注意です。
「非定型うつ病」の特徴
次に非定型うつ病の特徴を見ていきます。
同じく5つ、その特徴を見ていきましょう。
- ・仮眠が多い
- ・原因が長期
- ・治療の幅が少し狭い
- ・過食と体重増加
- ・趣味は楽しめる
過眠が多い
非定型うつ病には、過眠、昼夜逆転、目覚めの悪さなどの症状がありますが、そのなかでもとくに過眠の症状が多く見られます。
非定型うつ病患者は、1日10時間以上におよぶ睡眠をすることもあります。
長時間睡眠を取っても昼にまた眠気を感じ、さらに昼寝もしてしまいます。
いくら寝ても寝足りなく感じるのです。
定型うつ病とは症状が正反対なため、過眠は非定型うつ病を疑うきっかけとなります。
原因が長期
非定型うつ病患者には、性格に特徴があります。
「幼い頃から真面目だった」「他人に助けを求めない」「責任感が強い」など、もともとの性格に発症の原因があるのです。
一方で、定型うつ病はもともとの性格に関係なく発症します。
非定型うつ病は、うつ病とは対照的に原因が長期的といえるでしょう。
治療の幅が少し狭い
薬は、定型うつ病と同様、抗うつ薬などが処方されます。
また、患者の状態に合わせて、安定剤や抗不安薬などが処方されることもあります。
しかし、定型うつ病では高い効力を発揮する薬が、非定型うつ病にはあまり効かないことがあります。
そのため、治療の幅が定型うつ病と比較して少し狭いといえます。
また、非定型うつ病では薬物治療にくわえてカウンセリングが試されます。
カウンセリングのひとつに認知行動療法と呼ばれるものがあり、それを実施することにより70%の人に改善が見られたという結果があります。
過食と体重増加
非定型うつ病の症状に、過食と体重増加があります。
定型うつ病の場合は食欲が減りますが、非定型うつ病の場合は反対に食欲旺盛になります。
その結果、過食して体重が増加します。
これは、食べることで気を紛らわせようとするためです。
非定型うつ病患者は、何かを食べていないと落ち着かない、食べずにはいられないという心理状態になることがあるのです。
趣味は楽しめる
非定型うつ病の方は、たとえ気分が落ち込んでいても趣味は楽しむことができます。
非定型うつ病の場合、憂うつ気分の症状はありますが、それはストレスの強い状況下で起こる症状であり、憂うつ気分が続くわけではありません。
ストレスの少ない状況では症状があまり出ないため、自分が楽しいと思える趣味などは思いきり楽しめるのです。
仕事の出勤日は症状が強く出てしまい欠勤するものの、仕事がない日には趣味を存分に楽しむため、会社の同僚に非難されてしまう、という問題が発生することもあります。
非定型うつ病になる原因
非定型うつ病になる原因として、もともとの性格が挙げられます。
「幼い頃から真面目だった」「他人に助けを求めない」「責任感が強い」にくわえ、「人に甘えられない、甘えない」「弱みを見せない」などの性格の人は罹りやすい傾向にあります。
また、非定型うつ病になりやすい人はプライドが高く、完璧主義です。
プライドの高さから恥をさらしたくないという気持ちが強く、人前に立つと強い緊張を感じる傾向にあります。
その強い緊張から、声や体が震えるなどの対人恐怖症の傾向もあります。
また、他人からどう見られているかを常に気にし、他人の顔色をうかがう性格傾向が見られます。
他人からよい評価を得るために自分の気持ちを抑え込み、他人に従おうとする傾向も強いでしょう。
これらは子供の頃からの性格であり、親からは「手のかからないよい子」といわれて育った人が多いようです。
非定型うつ病の治療方法
最後に、非定型うつ病の治療方法を解説していきます。
主なアプローチとして以下の2つがあります。
- ・薬物療法
- ・カウンセリング
薬物療法
薬は、定型うつ病と同様にSSRIなどの抗うつ薬、くわえて安定剤、抗不安薬などが処方されます。
副作用も考慮しながら、患者さんにあった薬物を用いて治療していきます。
しかし、定型うつ病では高い効力を発揮する薬が、非定型うつ病にはあまり効かないことも起こりえます。
カウンセリング
薬物療法があまり効かない場合、並行してカウンセリングを行うことも多いでしょう。
そのひとつに、認知行動療法と呼ばれるものがあります。
非定型うつ病にかかる人は、自分の気持ちを押さえ込み、他人を尊重する傾向があります。
そのため、認知行動療法では自己理解や自己主張を推進するトレーニングを行い、自我の確立をゴールとします。
療法の内容は、日常生活のなかで落ち込んだ出来事を具体的に書きとめ、自分の考え方や行動を把握していくというもの。
カウンセリングを通じて自己理解することが大事になっていきます。
この認知行動療法は、70%の人に効果があったという報告もあり、早ければ3ヶ月ほどで効果が現れます。
人前では明るい非定型うつ病は誤解されやすい疾患
いかがでしたか。
非定型うつ病は、まだまだ甘えや仮病、努力不足と誤解されやすい疾患です。
しかし、れっきとした病気であり、だからこそ適切な治療をすることでしっかり快復に向かいます。
YSこころのクリニックでは、非定型うつ病の方の相談も受け付けています。
治療やカウンセリングをご希望の場合はぜひ当院へ相談に来てください。
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