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コラム2022/05/31
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高齢者にみられるうつ病とは?原因や症状・治療法なども紹介
高齢者にみられるうつ病とは?原因や症状・治療法なども紹介
現代人に多いといわれているうつ病は、実は高齢者も発症する可能性があります。
高齢者のうつ病は一般的に老人性うつと呼ばれ、特有の症状がみられます。
周囲に高齢者がいらっしゃる方にとって、うつ病は心配な病気の1つですよね。
そこで本記事では、高齢者にみられるうつ病の1つである、老人性うつがどのようなものかを詳しく解説していきます。
高齢者のうつ病がどのようなものか知っておきたい方は、ぜひご覧ください。
高齢者が発症する老人性うつとは
老人性うつとは、65歳以上の高齢者が発症するうつ病を指します。
正式な病名ではなく、基本的な症状も普通のうつ病と大きな違いはありません。
ただし、特有の症状として頭痛や食欲不振、肩こりなどの体の不調が現れるケースが多いです。
一般的なうつ病の場合、意欲や思考力の低下、興味や喜びといったポジティブな感情の
消失など、精神面での症状が大きく現れます。
しかし、高齢者の老人性うつの場合は精神面での症状が確認しにくく、体の不調を訴える過程で老人性うつと診断されることがあります。
老人性うつが長く続くと、死にたいという気持ちが強くなり精神的にも不安定になるため、早めの治療が必要です。
老人性うつと認知症の違い
老人性うつと混同されるものとして、認知症があります。
認知症の症状は老人性うつの症状とよく似ており、両方を同時に発症している可能性も考えられるため、判断が難しい場合が多いです。
老人性うつと認知症を見分けるポイントの1つとして、記憶障害がみられた際に本人の自覚があるかどうかが挙げられます。
老人性うつの場合、物事を忘れてもきっかけがあれば思い出せるため、物忘れが多くなったと自覚できます。
しかし、認知症の場合は物忘れが多いという自覚がなく症状が進行していくので、高齢者本人に物忘れの自覚があるかを質問してみるとよいでしょう。
そのほかにも、老人性うつは1日の間での調子の波が大きいことや、短期間で症状が悪化することなども、判断するポイントとなります。
高齢者の老人性うつの原因
高齢者が老人性うつを発症する原因は、大きく分けて環境の変化による要因と心理的な要因の2つがあります。
環境の変化は、主に定年での退職や引っ越し、家族との別居などが考えられます。
また、体の衰えによる不安や配偶者との死別なども、老人性うつを引き起こす心理的な要因の1つです。
特に高齢者は環境や身体的な変化も大きく、気持ちがついていけずに精神面が弱っていく抑うつ状態になりやすいです。
高齢者にみられる老人性うつの症状
老人性うつの症状は、主に精神面での不調と身体的な不調に分けられます。
以下に、それぞれでみられる症状をまとめました。
【老人性うつでみられる主な精神面での不調】
- ・記憶力・判断力の低下
- ・意欲や思考力の低下
- ・漠然とした不安や緊張
- ・心気妄想
- ・罪業妄想
- ・貧困妄想
【老人性うつでみられる主な身体的な不調】
- ・頭痛・めまい
- ・肩こり・腰痛
- ・不眠・仮眠
- ・吐き気・食欲不振
- ・極度な疲労感
上記のように、老人性うつにはさまざまな症状がみられます。
特に、現実にないことを過度に思い込む心気妄想や罪業妄想、貧困妄想は、常に不安を感じた緊張状態になっているため、老人性うつを発症している可能性が高いです。
また、高齢者の老人性うつでは身体的な不調が強く現れる場合も多いため、身体的な不調とともに精神的にも不安定だと感じた場合は、専門医に診断してもらいましょう。
高齢者の老人性うつの治療法
老人性うつの治療法としては、薬物療法・精神療法・環境調整の3点が主に行われています。
薬物療法は、抗うつ剤の投与などで精神を落ち着かせる治療法です。
ただし、高齢者の場合はほかの病気や不調を患っていることも多く、副作用が大きいと判断された場合には使えないこともあります。
精神療法は、定期的に精神科や心療内科に通院して医師や看護師のカウンセリングを受ける治療法です。
また、家族内でも積極的に会話をして不安を和らげることで、症状が軽減される可能性もあるでしょう。
環境調整は、リラックスできる場所を作ることや家族や友人と過ごす時間を意識的に作ることで、孤独感を緩和させる治療法です。
他人と過ごす時間を多くして、一人で考え込む時間を減らすことが大切です。
高齢者の老人性うつを予防する方法
高齢者が老人性うつにならないためには、心身を健康に保つことや自分は孤独だと思いこまないようにすることが重要です。
健康的な心身にする方法としては、適度な運動を日課に組み込むことやストレスをため込みすぎずに自分なりのリフレッシュ方法を見つけるなどがあります。
また、寂しいと感じるときや孤独感に悩まされたときは、他人と積極的に会話をすることも効果的です。
共通の趣味の話ができる友人をつくることや街の活動に参加することなど、意識的に他人と交流する機会をつくるとよいでしょう。
老人性うつで特に注意したい点
老人性うつは、高齢者本人だけではなく介護やお世話をしている家族もうつになってしまう可能性がある点には注意が必要です。
高齢者のうつ病の進行とともに、特に接する機会の多い家族は介護疲れにより精神面でも不安になるケースも多々あります。
そのため、周囲に「うつ病かな?」と感じる高齢者がいる場合は、早めに病院に連れて行ってあげることをおすすめします。
早期の段階に受診を受けることで、治療期間も短く回復も早くなるでしょう。
うつ病のサインとは
うつ病のサインには、自分が気づける症状として表れるサインと、周囲の人が気づけるサインの2つに分けられます。
こちらの記事では、それぞれどのようなサインがあるのかを詳しく紹介していますので、気になる方はぜひご参照ください。
高齢者がうつ病になった場合は老人性うつを疑って早めに受診をしよう
いかがでしたでしょうか?
うつ病は誰でもなる可能性が高いですが、特に環境の変化や体の衰えが大きくなる高齢者は老人性うつを発症するケースが多くあります。
老人性うつになると、精神的に不安定になるだけではなく体にも不調をもたらします。
治療法としては、抗うつ剤を使うほかにカウンセリングを受けて精神を安定させることや、リラックスできる場所をつくるなどの方法が効果的です。
重症化する前に病院で受診をして適切な治療を受けることで、回復も早くなるでしょう。
YSこころのクリニックでは、うつ病を根本的に解消する治療を行っています。
高齢者の方も安心して受診していただけるので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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